嫌な予感を抱えつつ出発時間は迫っていました。
とにかくスーツを着せなければ。
画像検索で適当に「スーツを着ている男性」の写真を探し.
ツヨに見せると、理解した模様です。
着なれないYシャツのボタンが固くて、手間取っているツヨ。
やっとはめたと思ったら一段ずれてるし…
ボタンをはめてやって、シャツをズボンの中にうんしょと入れようね。
ボタンのあるシャツも、シャツをズボンの中に入れることも
ツヨは好きではないけれど、嫌がることなくなんとか着ることができました。
しかし、ずっと動いているので
着せる私もずっと動いている。(笑)
さて、ネクタイだ。
締め方がよくわからないけれど、パパと二人がかりでなんとか成功!
拒否はしていないのですが、なにせツヨはいつも焦っています。
そしてじっとすることがないので、お世話が大変なのです。
じっとしない自閉症の子を、うまくお世話する方法はないのだろうか。
さて、学校へ出発。
久しぶりの同級生と先生方の元気な顔がうれしい。
あえて時間ぎりぎりに着いたので、まもなく式が始まりました。
用意していただいた紙パックのお茶とカルピスで乾杯です。
そのあとは、一人ずつ親が近況を報告する時間です。
写真は最後らしい……。
先に写真がよかったなぁ。
始めのうちは、なんとか席に着いていたツヨですが、
6人ぐらい報告が終わったところから、そわそわ…
私のカバンを指さして
『帰る』
と伝えてきます。
せっかくの久しぶりの会。
スーツも着たんだし。
学校は懐かしくないのかい?
「ひいーー」
うんうん。懐かしくないらしい。
もう限界だね。帰ろうね。
式の半分が終わったところで、我が家の報告を急遽させてもらい、
会場をあとにしました。
とりあえず、報告はばーっと話せたし、良しとしましょう。
家に帰り、何枚かのスーツ姿の写真を撮ることもできました。
その後、普段着に着替えてコンビニへ。
いつものルーティンに戻って、ツヨもすっかり落ち着きました。
あわただしかった成人の会。
でも嬉しかったことが一つありました。
高校2,3年生の時の担任の男性の先生に再会したとき、
とっさにツヨが先生にそっとしがみついたのです。
周りにいた人、みんなびっくりの行動で、私も鼻の奥がジーンとなりました。
自閉症のために独特の強いこだわりがあって、
世の中のことに対する感覚が人と異なるツヨですが、
気持ちは普通の男の子なのだと
ハッとさせられた瞬間でした。
やっと迎えた二十歳。
ほっと気を抜かないで、ツヨの気持ちをできるだけ汲み取りながら
これからも見守っていくつもりです。
いつも気にかけて下さる皆様
本当にありがとうございます。
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