真夜中の靴洗い

昨日のことです。

児童デイから帰ってくるなり、ツヨが自分の履いていたスニーカーを手にして
「あっ。あっ」
と何か訴えてきました。

靴の裏を指差しています。
えっなんだろう・・・
しげしげと靴の裏を見ても何も変わった様子はありませんでした。

でもツヨは洗面所の流しに靴をもっていって
『洗ってほしい』
と伝えてくるのでした。

何か汚れているか、濡れてでもいれば、もちろんすぐに洗ってやるけれど、
何か思い出して、こだわっているのかもしれない・・・
そう考えると、ハイハイと受け入れていいものか。

どうして洗ってほしいのか
こんなときおしゃべりできないので分かってやれないのがつらい。

しまいには、キッチンに私を引っ張ってきて、
食器を洗うスポンジを手に取って、
『靴を洗ってほしいんだ!』
と、少し騒ぎました。

こういう切羽詰まった感じ・・・

何年か前によくあったっけ
それは、周りには理由がわからないことに強くこだわっている様子。

ちょっと一呼吸置こうと思い
「靴は洗いません」
ときっぱり伝えると、ふいっと少し熱が冷めたような目になり、
こだわることをやめました。

その後は、まったく靴のことには戻らず、すぐに夕食・薬・お風呂と
いつものルーティンワークを終えて、早々に眠りにつき、
ほっと一安心でした。

なんだったんだろう

彼にしてみれば、その瞬間、それはとても重要なことで
れっきとした理由があって

そうだ

いつだってツヨには理由がある

小さいとき、外で暴れてしまった時も
家で言うことを聞かなくて大騒ぎしたときも
駅で、いつもと違う階段から降りてしまって
もとに位置に戻ろうと急に走り出して、手を掴むのが一瞬遅れて、本当に怖かった時も
お店の会計で3秒目を離したら、いなくなって、
もうだめかと必死に探した時、一人でエレベーターに乗っていた時も

しっかり納得していれば騒いだり、急に走ったりはしない。
本人は大真面目だけれど、やはり納得できることとできないことがあるのも現実。

自閉症だから
どうしたって時に本人の独自の思いがあふれてくる

食器洗いのスポンジを見て
きっとこれなら通じる!
と思ったのでしょう
一生懸命、知らない言葉を伝えようとしてきたツヨの目を思い出して
なんだかとても切ない気持ちになり、夜中にそっと靴を洗ってやりました。

せめて朝、ベランダに干してある靴をみて
『ママにつうじたんだな』
と思って
少し幸せになってくれたら。
そうだ。靴洗いのブラシを、見えるところに掛けておいてあげよう。


でも胸が痛みます

あの時、洗ってやればよかったな

かわいそうに
かわいそうに

生きづらくてごめんね

夜中に靴を洗いながら
心の中で、そうつぶやいていました。







真夜中の靴洗い_f0025201_22324522.jpeg




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by keikototyuyo | 2020-06-13 22:57 | こだわり・常同行動 | Comments(4)
Commented at 2020-06-14 13:55
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by keikototyuyo at 2020-06-15 22:35
鍵コメントのFさんへ
初めまして。
コメントをありがとうございます。
双子ちゃんの子育ては本当に大変だとお察しいたします。
お互い無理せずにがんばりましょう。
Commented at 2020-06-18 00:03
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by keikototyuyo at 2020-06-18 22:46
鍵コメントのCさんへ
お久しぶりです。コメントありがとうございます。

思いを汲み取ってあげられないとき
何とも言えない気持ちになりますよね。

ツヨはしゃべれないので、一生懸命伝えようとしてくれるのを見るのもせつなくなります。

思っていることを伝えもせず、一人で苦しむタイプの
お子さんもいるかもしれないと思うと
それもせつなくなります。

子ども達の思いを、叶えられなくても
なんとかせめて分かってあげたいものですね。
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